五輪特需とは?
五輪特需とは名前の通り、五輪開催によって特定の分野の需要が大幅に伸びることです。
代表事例は建設業で、競技場の新設工事や交通インフラの整備工事が多数行われます。
通常の公共工事以上に税金が投入されるため、建設業は特需で湧いています。
しかし、2020年東京五輪から開催コスト低減のため、東京以外の都市での競技分散が認められ、新設から既存施設利用に変更する事例も多数見られました。
五輪特需のある業界や2020年東京五輪で期待されている効果などをまとめました。
主な五輪特需
建設業
オリンピック関連の大規模工事が多数発生
関東の建設業は人手不足からマンション新築や修繕などの大きな建設会社でないと扱えない工事現場の料金が高騰
観光業
五輪開催期間中は外国人観光客が大幅増
五輪終了後もインバウンド効果で観光客増加を期待
飲食業
主な理由は建設業と同じ
不動産業
東京五輪開催決定にあたって開発エリア周辺の不動産価格高騰
五輪バブルでキャピタルゲインによる利益を狙う投資家が増加
広告業
オリンピック関連の広告が増加
有力選手へのスポンサー争いも活発化
イベント関連
観戦ツアー、観光ツアーの増加、五輪終了後も新設された施設によってイベントの増加を期待
五輪特需と呼べる基準
明確な基準はなく、需要の増加で理由が特定のものだと明確な場合は特需と言えます。
五輪特需においても、通常時の売上から10%アップ程度のものもあれば、数倍に大きく伸びるものもあります。
東京五輪ではコスト削減問題などもあり、当初期待されていた特需効果より少なくなることも期待されています。
五輪特需の与える影響
五輪特需によって、雇用の増加、インフレ、投資チャンスの拡大などが期待されています。
五輪開催のコスト削減対策では建設業が影響を受けますが、それでも既に深刻な人手不足の発生する状況になっていて、五輪関連以外の工事でも納期遅れ、単価の上昇が起こっています。
懸念されるのは、五輪開催後のリバウンドです。
五輪関連の警備や物販など一時的な非正規雇用者も増加するので、五輪終了で仕事を失う人も出てきます。
特需による業者乱立で廃業する業者も出てくるでしょう。
過去には1998年長野五輪で五輪開催後に景気悪化が加速した事例もありますが、東京五輪の場合は大きなインバウンド効果を期待でき、五輪終了後も観光業や建設業など堅調に推移することが予想されています。
マーケティングを適切に行えば、通常時よりもビジネスチャンスは大きいですし、五輪バブルに乗れるビジネスセンスがあれば五輪開催後も生き残れるでしょう。
地方に与える影響
五輪特需は東京や競技の開催されるエリアだけのものではありません。
日本は国土が狭くて海外から見れば移動の負担は少ないです。
近年ではLCCの普及によって飛行機移動のコストも下がりました。
外国人観光客はせっかく五輪観戦で日本に来たのだから、京都や北海道、沖縄、大阪など人気の観光エリアも回っていこうと考える人が多く、全国で観光産業は活発になります。
五輪開催期間中は国内全体がお祭りムードになります。
スポーツはホーム開催のアドバンテージがあるので他国で行うオリンピックよりも多くのメダルを獲得できるケースが多いです。
オリンピックが盛り上がれば、メダル獲得記念セールや応援セールも活発になって、地元出身セールの凱旋パレードなども開催されます。
地域によって特需の大きさに違いは出ますが、自国開催だけに五輪で経済の悪化する地域は出ないでしょう。